『ガンパレードマーチ』は遊び方を選べるゲームでしたが、この『絢爛舞踏祭』は遊び方を創らせるゲームです.
しかしそれ以前に、作品としての致命的な欠陥をいくつも抱えています.まず、演出.
イベントは基本的にセリフだけ.戦闘中はレーダーが表示されるだけ.キャラクターとの交流も単純なテキストが基本で、あとは会話時の微妙な表情の変化とポリゴンモデルのたどたどしい動作で表現される程度.いくらなんでも演出不足です.
次に、戦闘システム.
目も耳も使えない状況での戦闘を表現したそうですが、戦闘システムと作中の設定をリンクさせるようなデザインになっていないので、トポロジーだ何だと自慢されてもイメージが湧きません.地味なレーダーを見ているだけ.
そして、AI.
『ガンパレ』のAIシステムが魅力的だったのは、普通のゲームで空白にあたる部分がAIによって補完されていたからです.ところが『絢爛舞踏祭』では、普通のゲームでイベントにあたる部分が逆に空白になっています.したがって、キャラクターゲームとしての価値は皆無です.
他にも、『ガンパレ』をやり込んでいないと入り込めないシナリオ、耳障りなだけのBGM、使い勝手の悪いインターフェイス、死ぬほど長いセーブ時間、妙な陰影フィルターなどなど、かなりクソゲーに近い.
それでもこのゲームを見捨てず、ポテンシャルを引き出そうと努力に努力を重ね、遊び方を自分で創り出すことが出来れば、ようやく独特の面白さが垣間見えます.その瞬間は確かに素晴らしい.
しかし、制作サイドはプレイヤーが努力するのは当たり前という態度です.この不愉快な姿勢こそが『絢爛舞踏祭』の最大の問題点かもしれません.遊び方を”創れる”ではなく、”創らせる”という所以がここにあります.
ラーメン屋の店主に説教されても腹が立たないタイプなら、買ってみるのもいいでしょう.
(umschau 2005年07月18日) from Amazon Review