メトロイドプライムの音楽はゲーム本編が2Dから3Dに大きく進化を
遂げたことでそのスタイルも大きく変化し、アンビエントでノイジーな
物が多くなっている。しかしゲームが3Dになってもメトロイドの根幹
の面白さが変化していなかったように、音楽もまたメトロイド以外の
何物でもありえない出来に仕上がっている。アンビエントで渋いのにそれでいてキャッチーな作りの楽曲は、
ゲーム中のBGMであっても決して邪魔にならないがいつまでも
記憶に残っている。まさにゲーム音楽として最高の出来であるが、
これ単体でも非常に質の高い物である。
基本的にどの曲も哀愁が漂っていてサムスの孤独感とかそれに打ち勝と
うとする意思みたいなものを感じられる曲が多い。また、ゲームの
舞台である惑星ターロンIVの様々な自然環境や原生生物の棲息を
意識させられる、非常に世界観の強い音楽が印象的である。
また、ボス戦や脱出イベントなどの焦燥感を煽るシーンの音楽も
健在。非常に緊迫感があり他の曲との
メリハリがあって全体的になかなか聞きやすい。
さらに前編のスーパーメトロイドの音楽を踏襲した曲も多く、
サービス精神も満点である。本編をやっていて気づかなかった音楽の
継承が発見できてファンなら思わずニヤリとしてしまうところだ。
メトロイドフュージョンは、根幹のゲームシステムは前作と大体同じ
であるが、その構成が大幅に変更されたものとなっていた。
ゲーム自体も前編とはだいぶ雰囲気が異なり、より緊迫感とか
焦燥感を感じられる作りになっていて、音楽もまた
より怪しさや緊迫感を前面に押し出したものとなっている。
今回は一人での冒険というわけではないからか、孤独感はそれほど
感じられない。しかしそれを補って余りある焦燥感と恐怖感、
そして使命感を感じずにはいられない。
今回の楽曲は全体的に色々な楽器が使われていて非常にカラフルで、
その作りもまた変化に富んでいて様々である。GBAという限られた
環境であるにもかかわらず非常に凝っていて、改めてサウンドへの...
続きを読む
(ibiza_orange 2003年06月24日) from Amazon Review