前の巻で厳しい評価をした私ですが、この巻では、ここ数巻での流れを立ちきり「主人公を中心にした話」にリセットしなおした、という点を評価しても良いと考え、高い評価にしました。ずっと「一体この漫画の主人公は誰だ?物語はどこに向かってるのか?」と感じた ここ最近の巻での迷走状態を、この巻で変えているからです。

私も他の皆さん同様、西野の言動にあれこれ腹が立ったりしましたが「架空のキャラに腹が立つ」と言うことは、それだけ「物語に引き込まれている」と言う証明でもあります。

他のレビューなどを概観していますと、西野のエキセントリックな言動に非難が集まっていますが、そもそも物語というのは道徳の本ではありませんから、イヤな人、間違った考えを持つ人、幼稚な人、悪党など、様々な役割の人が必要になります。したがって西野がそういう「やや幼稚で言動のおかしい人」という「役割」のキャラだからといっても「物語そのものの評価を低くする理由」には なり得ないと思われます。

さらに、もともと石川氏の描く女性キャラは、「行動的だが理屈屋で暴力的、時にヒステリックで感情的」という傾向があると思います。ただ、純潔のマリアや 長谷川などが、ヒステリーや暴走を起こしたときであっても、その理由が、理解や共感が可能だったのに比べると、西野がどうしてあんな行動に帰結したのか飛躍しすぎていて良くわからない(なぜああいうことをしなければならなかったのか共感できない)部分や、西野の「怒りの着火点」がちょくちょく理解不明だったりと、確かに読者置いてけぼりな部分も散見されますが。他の方のブーイングの理由の核もその辺りにありそうな気がします。

その辺りの解明や、西野というキャラの掘り下げも、今後の流れに期待し、ひとまず高評価にしてみた次第です。
(せんたろう 2013年06月11日) from Amazon Review

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12巻目になってようやく本来のメインテーマ、「酒造り」に戻ってくれたけど、そこに至るまでのドタバタ右往左往が長すぎて物語の方向性がわけ分からなくなっているのは自分だけではないと思う。
糀屋の跡取りを(長男がトンズラしてしまったとばっちりで)宿命付けられた、菌が見える主人公の成長と農学部の中での悪戦苦闘をからめたドラマっていうのが、当初自分が持っていた、この漫画に対するイメージだった。
その過程で発酵学や菌類に関するうんちくが語られているんだろうなあと漠然ながら感心して読んでいた。
ところが途中から、酒造りや菌たちとはほとんど無関係といっても良いエピソードが延々と続き、やれヨーロッパだやれアメリカだと舞台がころころ変わり、やっと日本に舞台が戻ったぞと思っていたら、本筋とはやっぱり無縁(としか自分には思えなかった)なミス農大選抜といったエピソードがウダウダ続いて、これ以上本筋から外れまくるのならもう読むのは止めようとまで思っていた。
少なくとも、最近の数冊の内容は主人公の「菌が見える不思議なチカラ」とはほとんど関係ないだろう。エピソード自体の面白さは別として。
物語初期のオリゼー達の名セリフ、「かもすぞ」はどこへ行ってしまったんだ。

出来る限りのテーマを作品に盛り込みたいという作者の想いは理解出来るし、そのための努力も賞賛する。
ただ、あまりにゴチャゴチャとしすぎてしまい、「もやしもんってどんな漫画だったんだっけ?」というのがさっぱり分からなくなってしまっていたのだ。
どことなくオカルトチックな農大(ナンなんだあの覆面集団は)におけるドタバタコメディーなのか、それとも登場人物の心情を掘り下げた人間ドラマ(恋愛モノじゃないよね)なのか、読んでいるうちに発酵や菌類についての知識がタップリ身につく学習教育マンガなのか、もう何がナンやら、、、。

このマンガ、多分恐らく沢木の大学卒業で完結するんだろうと勝手に思っているけれど、その時にどんな話が展開されているのか、人間関係がどのようにフィナーレを迎えるのか、全く見当がつかない。
それはそれで楽しみに取っておけるからいいんだけど、それまでの間に迷走を続けるのはもうこれ以上はご勘弁である。
(NS8915 2013年04月18日) from Amazon Review

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12巻目になってようやく本来のメインテーマ、「酒造り」に戻ってくれたけど、そこに至るまでのドタバタ右往左往が長すぎて物語の方向性がわけ分からなくなっているのは自分だけではないと思う。
糀屋の跡取りを宿命付けられた、菌が見える主人公の成長と農学部の中での悪戦苦闘をからめたドラマっていうのが、当初自分が持っていた、この漫画に対するイメージだった。
その過程で発酵学や菌類に関するうんちくが語られているんだろうなあと漠然ながら感心して読んでいた。
ところが途中から、酒造りや菌たちとはほとんど無関係といっても良いエピソードが延々と続き、やれヨーロッパだやれアメリカだと舞台がころころ変わり、やっと日本に舞台が戻ったぞと思っていたら、本筋とはやっぱり無縁(としか自分には思えなかった)なミス農大選抜といったエピソードがウダウダ続いて、これ以上本筋から外れまくるのならもう読むのは止めようとまで思っていた。
少なくとも、最近の数冊の内容は主人公の「菌が見える不思議なチカラ」とはほとんど関係ないだろう。

出来る限りのテーマを作品に盛り込みたいという作者の想いは理解出来るし、そのための努力も賞賛する。
ただ、あまりにゴチャゴチャとしすぎてしまい、「もやしもんってどんな漫画だったんだっけ?」というのがさっぱり分からなくなってしまっていたのだ。
どことなくオカルトチックな農大(ナンなんだあの覆面集団は)におけるドタバタコメディーなのか、それとも登場人物の心情を掘り下げた人間ドラマ(恋愛モノじゃないよね)なのか、読んでいるうちに発酵や菌類についての知識がタップリ身につく学習教育マンガなのか、もう何がナンやら、、、。

このマンガ、多分恐らく沢木の大学卒業で完結するんだろうと勝手に思っているけれど、その時にどんな話が展開されているのか、人間関係がどのようにフィナーレを迎えるのか、全く見当がつかない。
それはそれで楽しみに取っておけるからいいんだけど、それまでの間に迷走を続けるのはもうこれ以上はご勘弁である。
(ns8915 2013年04月18日) from Amazon Review

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もともと登場人物の心理描写やセリフに癖のあるマンガという印象がありましたが、
12巻は特にそれがひどいと感じました。

キャラクターの出自や、業界構造の事前解説などの背景説明がないままに
唐突な行動を連発したり、いきなり知らない単語が飛び出して来たり。

「なんでこの状況からこういう考えに至るの?」という出来事が頻発して
読み進めていっても、「えっ、えっ?」と完全に置いて行かれてしまい、
共感するどころか、話についていくことさえできずに、途中で読むのをやめました。
西野円の一連の意味不明な行動を、「子供だから」という一言で済ませるのも乱暴すぎでしょう。
あれはただの頭のおかしな子で、ひたすら不愉快。
彼女がなぜ日本酒が嫌いか、そして最後にああいう行動に出たのか、
その論理構成の組み立てが完全に破たんしていたように思えます。

そんな彼女を見てほかの登場人物が「大人ってなんだろう」というまとめも、無理がありすぎるきらいがあります。

オクトーバーフェストあたりまでは本当におもしろかったのですが、、、。

もう一度面白いマンガを作っていただきたいと心から願っています。
(tamaya21 2013年04月17日) from Amazon Review

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石川女子達の作画を見る、だけでも買うだけの価値は充分ある。
でも、うーん、乗れてないなぁ>自分。
この漫画、誰に向けて描いてるの?という感じが引き続きある。
作中で主に語られている「問題」について、登場人物達が
自身の言葉で語っていない感(売れる売れないについては、
学生だからしょうがないのだろうけど)も厳しい。
或いは大学生のモラトリアムを大学生自身が語っちゃう情けなさ、は、
嘗て自分も似たような事を思ったのであるある、とは思う。
思うけど、なんつーか、何だろう、全体的にリアリティ、かな・・・・・・
ある程度特殊な世界を舞台にしている分、
「こういう人達が居て、実際にこういうドラマを繰り広げているに違いない」
と思わせる様な匂いが欠けているなぁ、と思う。
それは自分がもう「そこ」にはいないから、なのかもしれないけど。

(やや強引な)イベント続きで埋め尽くされた話を読んでいると、
バトル漫画を読んでいる様な気持ちにもなる。
彼らの「イベント以外の日常」はどこにあるの。
そういうのが読みたい。
(ずん zuntan02 2013年04月16日) from Amazon Review

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「もやしもん」という漫画は、そもそもモラトリアム状態が根底にありながらも、
学生たちの行動を通じて、「もやし」という興味深い文化を再発見させてくれて、
それらにまつわる行動を通じて、キャラクターたちの人間関係の機微の
面白さを描くのが妙味だったような気がする。
その点で、本作にはとても楽しませてもらってきたものです。

が、それがここに至っての、作者自身によるモラトリアムそのものへの、
ほとんど開き直りに近い、明け透けな肯定。それを、わざわざ言葉にしてしまった無粋。

また一方で、今回の主役になる西野さんの、視野の狭い自己肯定、最終的に自分が何に納得できたさえ
判らない「自己満足」行為に周囲の人間すべてを巻き込む独善と、
何一つ責任を取れるとさえ思っていないことを、周囲の大人に投げつけて、
一人悲劇のヒロイン気取り。全編を包むこの「甘え」はどういうことなのか。

年長者に対する口の聞き方や、他人の心情への配慮の欠如を「子供だから」の一言で容認し、
その無礼に、あえて拳を振るった年長者をまるで「悪」と断じ、そのこぶしを
丸呑みさせるように、年長者側から謝らせている。

ここに繰り広げられるのは、駄目なことは駄目、という大人が子供に対するときの矜持の
あり方を否定し、やれ体罰はやりすぎだ、いじめっ子にこそ心のケアを、といったような
現在の日本に感じる「気持ち悪い空気」そのものの縮図だ。

確かに「大人」の世代の度量の狭さは、昔とは比較にならないくらい衰えた昨今ではあるが、
それを、学生相手にここまで弁解・説明してやる親切さは必要ないのではないかな。
樹教授の語り口のようにして、大人の度量を示すことも大切だとは思うが、
嫌われても言うべき事は言う、といった筋の通し方から巧妙に逃げている。
その「摩り替え」がさらに気持ち悪く感じる。

漫画家として、激しい競争や社会の洗礼など十分受けつくしたはずの作者が、
ことここに至って、このような境地に至ったことが不思議でならない。... 続きを読む
(motokaz 2013年04月15日) from Amazon Review

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内容は他の方も書かれてるので割愛します。

菌やお酒の話はとても面白かったです。

ただ、西野円、こんな嫌なキャラである必要あったのかな……正直、同性として受け付けないです。

もやしもんはキャラも内容もさることながら、
物語に流れている空気が好きだったんですが、
11巻からそれが微妙になってきて、
この12巻に関しては読んでる間ずっと嫌な気持ちを引きずりました。

子供とかいうフワッとした理由だけで許せる気持ちになる程私も大人じゃないってことですね。
大人みたいな口をきくからには責任もちやがれと言う気持ちにしかならなかったって事は私にはもうもやしもんが合わなくなったんだなぁ。

一度気に入って買い揃えた本は最後まで集める私ですが、もやしもんはこれでもう買いません。
(リホ子 2013年04月14日) from Amazon Review

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最近読んだのですが、私自身は字一杯ものには慣れているので細かい字までどんどん読みますが
マンガとして読むにはつらい部分が多いかな・・・

読んでて「へー」と思ってしまううんちくは面白いですが
この巻はちょっと社会派気取りを感じる上に
結局何が言いたいのかあいまいなままってのがなんとも。

あと「酵素」について書かれていますが
あの部分はかなり正確性に欠けるので読まれる方は気をつけてください。
大学のレポート等で書いた日にはフツーに不可、どころか呼び出されかねないレベルです。

・まず酵素に代謝酵素と消化酵素なんて分類はありません。
何故なら消化は代謝の1つだからです。酵素は触媒する化学反応の種類でのみ分類されます。
膜局在性酵素・可溶性酵素という分類もあります。実験科学的な側面が強いですが。
・病気の時に代謝酵素が作られるというのも何を指すか全く不明です。
そういう超大雑把なくくり方で良いのなら、ヒトはいつもいかなる時も何かの酵素を生合成しています。
・取り込む=人体に吸収される、と受け取れるような紛らわしい文章になっています。
すぐ後にオリゼーが否定はしていますが紛らわしいのに変わりはないです。
・「体内の酵素の消費を抑える」⇒この一言は完全にアウト
酵素は生体触媒であるという根本を全く理解されていないセリフです。
反応によって消費されたらそれは「触媒」じゃありません。それは「基質」といいます。
かなり好意的に解釈して、食べ過ぎによる消化不良について言いたいのだと思いますが
読み手に酵素の基礎知識をミスリードさせる完全にダメ文章です。
・もっと言うと、そもそも胃袋の中や腸の中は「体内」じゃないです。ということで二重ミステークです。
生物学において「体内」とは外気に触れない部分(同時に免疫作用により基本的に無菌)を指します。
口からお尻まで自由通気している訳じゃないですが、外気に触れているので消化器官は実は「体外」なんです。... 続きを読む
(7thmoon_gate 2013年04月08日) from Amazon Review

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本巻は11巻に出てきた女子高生の西野円を中心に話が回ります。そして沢木が珍しく
主人公らしく物語を西野と一緒に回します。

お題としては、結城蛍が2巻で言っていたような日本酒業界の衰退と生き残り、それにまつわる大手酒造と中小酒造の関係の話を本巻で西野家をビジネスモデルとして著者が書きたかったのかなという印象を受けました。

学園モノとしての感想は、人生のモラトリアムである大学を自分は有意義に過ごせているか、大人とは何か子供とは何かと人の振り見て我が振り直せとゼミ面・自治寮レジスタンスの面々の考えが書かれていたので、メッセージ性の多さを感じました。

総評として、ギャグ少なめ・川浜出番なし・著者の書きたかったことをかいてたっぽいです。
読み応えは11巻と違ってあります。
不満は、西野さんは好きになれないキャラクターであろうということ(メインメンバーとの区別をつけていつでも切離し可なんだなと思う)とお笑い要素の少なさ・メッセージ性は多いけど話の主軸あんまり進んでない!ということ

11巻でキャラ付け・12巻で日本酒にまつわる話を書けているので次巻こそ物語が進むことを期待してます。
(ようてん。 2013年04月07日) from Amazon Review

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11巻より登場の新キャラ西野円がメインになって色々と引っ掻き回して行く感じが新鮮。

ここ数巻は同じメンバで小難しい話で最後もモヤっとぼかされたりだったので、ガキんちょが引っ掻き回してくれて、オチもシンプルではっきりしてて良かったです。

いくつになった大人でもその辺のガキんちょと大差無いですよね。
どれだけ取り繕って我慢できるかぐらいの差しかない。

しかし菌の自立具合が半端ないですね。
(超まりも 蔵 2013年04月05日) from Amazon Review

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