最近SFで話題の上田さんにはまっていて、この本も手に取りました。
アジカンジャケットも大好きですが、この本の中村氏の表紙もすてきな感じ。

神戸を舞台にした洋菓子屋さんで、記憶をなくしたとおぼしい職人が
勝手に厨房にいるのを発見したパティシエ見習女子が体験する日常がメインで
話としては自然に静かなムードですが、お菓子作りについての描写は作者の
お菓子への造詣と愛情を映し出していて、おもわず食べたくなります。

でも、副作用の方も見逃せないのは、仕事に丁寧に取り組む職人さんが描かれている
ので、晩ご飯のお味噌汁のだしを取ること1つとっても丁寧になること!!
普段の仕事にも効能が残るといいな、と思いました。

お客さんと対面して売る方がいて、厨房で苦心惨憺する職人がいるという職場は
大変だろうけどなんともすてきだなと思いました。

あ、肝心の記憶喪失ですが、謎も解けるし、結末もつきます。でも、この本は
SFでもミステリでもなく、普通の小説として読んで、元気を出したり、ほろっときたり
むかっとしたりする方が正しいですね。
ですからSFやミステリを求めて探している人にはNGです。
(たつなり 2011年03月21日) from Amazon Review

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中村祐介が描いた表紙の絵に惹かれてこの本を購入しました。
正直、内容はまったく期待していなかったのですが、読み始めたら面白くて一気に最後まで読んでしまいました。
淡々とした小説であるにもかかわらず、線の太い、しっかりした小説でした。
作者の文章力とお菓子への知識の高さはもちろんのこと、書きたいものを書いている感じが、読者をおしまいまで退屈させません。
(関西のおっちゃん 2010年12月04日) from Amazon Review

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この本は予想に反して私には難しい本であった。不思議な本であった。
しかし、やっと分かったような気がした。植木等がこの本を書いて見つけた出した答は何であったか、という事を。

植木等は父親の生き方を「支離滅裂」と表現した。私はある日この言葉を「人間とは支離滅裂な存在なのだ」と読みかえられる事に気が付いた。しかし、そう読みかえられるようになるまで十年近くかかった。何故こんな事に気が付かなかったのだろう。目から鱗が落ちたような気がした。

人間は多面的な存在なのだ。表面的にはこうだけれども実はこう、というような人間観が世の中には満ち溢れている。しかし違うのだ。二面性などと言うもんじゃない。もっと複雑な多面的な存在、矛盾する沢山の要素で構成された存在なのだ。植木等はそれを「支離滅裂」と、たった一言で表現した。人間とは支離滅裂な存在である。しかしその中には大概一本の強い筋が通っているものだ。そのことをこの本は訴えているような気がしてならない。

父親の生涯を綴るという形をとりながら、深い真理に触れさせてくれるような、なんとも不思議な本である。
(ばっちり行こうぜ 2009年05月04日) from Amazon Review

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この作者には、他にチョコレート職人の話を書いた小説もあってそちらも読みましたが、ミステリー的な要素が少ないこちらの作品のほうが、作者の本質がよく見えているような気がしました。

ストーリーが淡々としているので、最近のテレビドラマやハリウッド映画のような起伏の激しい物語しか受けつけない人には向かないと思います。が、阪急六甲や芦屋・西宮あたりまで含めた「関西の洋菓子屋さん」の優しい雰囲気を知っていると、すごく懐かしい気分になります。ケーキを食べながら、ひとりで、ひっそりと楽しみたいような作品。
(めだか屋 2008年10月23日) from Amazon Review

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おやじの人格と人生は、「支離滅裂」と前口上で評しています。
それ故に植木等の父は波瀾万丈の人生なのでしょう。
丹念に取材されていて、明治から昭和の民衆の姿が述べられています。
皆さん、自分の父親の子供時代を知っているでしょうか。
私はあまり知りません。「父は息子に理解されたいと願い、息子は父を
理解したいと望んでいる。だが、この二人が、しんみりと人の世の万般に
ついて語りあうことなどということは、まず無い。たいていは「おい」とか
「うん」としか言わないうちに父子、死に別れる。」(前口上より)
この本を読んで父に聞いてみたくなりました。
本棚で「熟成」していた文庫本ですが、著者の死亡記事をみて、読み出しました。
クレイジーキャッツやシャボン玉ホリデーの話はほとんどありませんが、
おやじの話とともに、植木等自身の生い立ちも生き生きとしています。

(shiibo 2007年04月13日) from Amazon Review

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植木さんのお父さんの一代記です。植木さんがお父さんのことがとても好きだったんだなぁ、ということが最も印象に残りました。そして、そのお父さんが、ちょっと信じがたいような波乱万丈の人です。太平洋戦争の前後で、キリスト教の洗礼を受け、社会主義労働運動や部落解放運動に参加します。参加という雰囲気ではなく、事件を繰り広げてゆく感じです。何度も投獄されます。お父さんは、徹底したヒューマニストというか慈愛に満ちたような方だったようです。そのお父さんは若い頃、義太夫をしていた時期があり、芸能界というものにも憧れを持っていたようです。その夢を植木さんがかなえたのでしょう。父親に祖父の話をしてもらっているような懐かしさを覚えました。植木さん自身の物語ではありませんので、そこはご注意下さい。大正・昭和の風俗や水平社等に関心のある方に向いていると思います。
(街道を行く 2004年09月12日) from Amazon Review

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(サークルフラット 2003年08月11日) from Amazon Review

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