何となく予想していた人も居るだろうが次世代機向けといっても典型的な箱庭型のクライムゲームであり、当然随所でブラッシュアップされてはいるものの出来ることはこれまでとあまり変わらないようだ。前世代との大きな違いというとボリュームに圧倒される部分。単にシナリオが長いというだけでなく、ゲームに登場するデータ量がとんでもないことになっている。肝心のインターフェースはハッキングにしても無駄に難しいことを要求しないよう工夫されているし、キャラクターも機械も操作感は上々。街並みは美しくそれでいてローディング無しに何処までも行くことが出来るのも魅力。

ゲーム本編はというと話の流れに関係なくプレイヤーが向かう先は大概武装したゴロツキで要塞化され、一掃するか情報を盗むかの後に結局は逃走する本星とのカーチェイスに持ち込まれるお決まりの展開。事前にアジトの車両を全部パンクさせておいてもお構いなしに爽快に走り去ってしまうし、自力で走って逃げる相手の足を撃っても足を引きずるようなことは無い。要するに開発チームが敷いたレールを辿るだけなんだなと少し残念に感じた。護衛的なミッションをはじめ、定期的に一本調子にならないような最低限の配慮は一応感じられるがミッションのクリア条件にもう少し柔軟性が欲しいところ。尾行中に見つかりそうな場面で咄嗟に遠くに停めてある車をハックしてアラームを鳴らし、注意を反らそうとしたハズが強制ミッション失敗になる等、一事が万事全てゲームの指示通りにやらないと次へ進めないのはいい加減苦痛。その他寄り道的な要素は数は多いが、これもパターンが決まりきっているので段々手をつけなくなった。本作の主人公はアサシンでもマフィアでも無いし、襲撃阻止やお宝探しといった似たような『突発的』内容のものを大量に配置するより、数は絞っても広大な街に根を下ろした『連続的』で深い人間模様をサイドストーリーでこそ見せて欲しかった。... 続きを読む
(レビュー太郎 2014年06月27日) from Amazon Review

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