ブリーチの集大成とされる滅却師編は基本的にダラダラした展開が64巻まで続きました。しかし、65巻では無駄な描写を最小限に控え「いよいよ最後の大決戦!」というビッグウェーブを醸し出すことに成功しました。これまでは酷すぎてどうしようもない漫画となってしまっていましたが、ここで盛り上がればまだ逆転のチャンスはありました。これまでの酷いストーリーも実は最後を輝かせるための布石であった・・という説明も可能だったのです。

しかし、やはり無理だったようです。「ろうそくは消える前が一番燃え上がる」という比喩を思い出すほどどうしようもないストーリーがこの66巻では展開されてしまいました。

久保先生の悪いくせはともかくストーリーの風呂敷を広げて壮大な展開としたがる傾向があるところです。もしその壮大なストーリーをきちんと描写できれば恐らくかなり完成度の高い作品になっていたのでしょう。問題はその緻密で詳細な設定を隅々まで理解できているのは久保先生本人だけで、読者や編集者をはじめとした他の人が全くついていけないというところなのです。このためストーリーが締まりのない大風呂敷になってしまい訳が分からないまま終わってしまう傾向が顕著なのです。最後の最後で収集がつかなくなったら次の長編に丸投げ・・という毎回続いてきた酷い締め方も今回は使えないせいか、ネタにつまると個々人のバトルシーンでページを稼ぐところが露骨すぎて精神的に参ります。学生の頃、よく学校の先生が最初は気合をいれて授業をするのに、学期末になっても教科書の最後のほうにたどり着かず「あとは各自でしっかり取り組むように!」と生徒に丸投げにする光景を思い出しました・・... 続きを読む
(コーヒータイム 2015年01月07日) from Amazon Review

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