日本語には「地の利を活かす」という言葉がある。あらかじめ与えられた
場所の利点を有効利用するという意味だが、考えてみたら経済活動だっ
てみんなそうだろう。長野県にある浮き輪業者はきっと大変な思いをして
いるだろうし、沖縄でわざわざ日サロを開業しようと考えている人はなか
なか周囲の賛同を得にくいはず。なんの商いをやるにしろ、その土地の
状況に適したが栄え、ひいてはその地域の産業構造を作っていく。
本書『世界の経済が一目でわかる地図帳』は、その名の通り地理から
みる経済、金融活動だ。

なぜニューヨークから真反対のハリウッドへアメリカの映画の都は移った
や、ソマリアではなぜ今時海賊さん大ブーム現象が起こっているのかと
か、さらには世界の船の1/5はなんとパナマ船籍だったなど、それらの
「経済活動」の裏には、地勢的条件の色濃く反映されているのがわかる
とおもしろい。不勉強ながら、日本に豊田市以外に企業の名前がついた
自治体がいくつもあったなんてことも、初めて知った。

後半に行くにつれて金融や貿易の問題の比重を多くなっていく。こちらの
方ではFTAやWTA、サブプライム問題まで解説されていて、就職活動で
よく出題される「一般教養」や「時事問題」の参考書としても十二分に活用
できるほど、内容は豊富だ。私はこの本、ひょんなことから手に入れたの
だが、大した期待をしてなかった分(失礼!)満足度は高かった。ただ、
時事的な問題も取り上げているため、2007年に刊行された本書、読むな
ら今だ。
(倒錯委員長 今田祐介 2010年02月08日) from Amazon Review

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