げんしけん二代目と前作との違いを目ざとく見つけようとすると結構ある。
この違いが男のオタクと女のオタクの違いとは言えないが、
何か違うんだなと読者に理解させるだけでも非常に素晴らしいテクニックだと思う。

例えば今作では部室の小物があまり増えないし、ポスターも変わらない。
所有欲を満たそうとする男だらけの前作に対し、今作は徹底的にそういう描写がない。
また部室で一人で黙々と何かに没頭する描写も少ない。
そういう意味で、男の娘である波戸がイソイソと斑目宅で女装する作業を見ると、やはり男らしい。
かたや、げんしけんヒロインお決まりのトラウマ暴露の流れがいよいよ次巻から本格化し、
正ヒロインルート邁進中でもある波戸。性別を超えて大車輪の活躍である。

私は未だにげんしけん二代目に違和感を感じるが、斑目が代弁してくれているのでとても満足だ。
とはいえ、今作で斑目の描写があると、ほっとするような悲しいような何とも言い表せない気持ちになる。
斑目はずっと斑目のままでいてほしいが、社会がそうはさせてくれないらしい。
斑目の去就が今後もっとも気になるところだ。
(レジ 2012年06月22日) from Amazon Review

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