漫画版と一言でいっても、そのやりかたは千差万別です。
「獣の奏者」のように原作の世界観を完璧に再現するタイプ、「マルドゥック・スクランブル」「魔王」のように作者ならではのアレンジを加えるタイプ、さまざまです。このマンガはその中間地点というか、原作準拠であったりオリジナル要素を入れたりと、一巻のなかでも『あの花らしさ』と『違ったあの花』とが混在しています。
オリジナル要素を加えることは、作品の基本的な軸さえブレなければ非常に興味深いものです。しかし個人的には、このアレンジ法に納得いきません。

出だし、いきなり「幽霊」と言ってしまっています。自分は前情報一切なしでアニメ一話を見たので、ラーメンつくったり何なりの展開で「え? あれ?」となり、主人公の言葉と同時に「幽霊」と確信します。その衝撃、切なさたるや……。それを早々に説明してしまっては、ちょっともったいない気がします。

その後はさーっとアニメと同じように進み、「漫画版もいいなー」と思って読んでいました。第三話ラストのじんたん母のシーンにはうるっとしました。病院という空間に思い入れがある分、ぐっとくるものが……。

しかし、四話にて決定的な不満にぶち当たります。
まず、つるこはもうちっと冷めたような(時には冷たい)子だった気がするし、ぽっぽはまだ演技しているような、どこかぎこちない言動だった気がする。特にぽっぽは「めんまを信じている」のではなく「めんまを信じるじんたんを信じている」ように感じていたので、あんな感情的に探しまわることはしなかったんじゃないかと思っていました。
でもそれは個人の受け取り方次第だし、ぽっぽがめんまに会いたいという思いは本当のはずなのだから、おかしくはない。

問題は最後。レビューを見ても不満点として上がっていないので、少数派の意見なのかもしれませんが、あの花火は違うと思う。

「じんたんにしか見えない」「じんたんも心の底からは信じられない」「誰にもわかってもらえない」といったどうしようもないジレンマがこの場面でのキーポイントだったはずなのに、めんま自ら、それも『簡単に』その壁を壊してしまいます。... 続きを読む
(ばなな丸 2012年09月12日) from Amazon Review

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