1975年発表の名作「ALIVE!」を転機に、キッスは人気と知名度を一気に上げ、次のスタジオ作品である「DESTROYER」の制作に取り掛かる。本作は名盤であり、キッスの歴史の中でも重要な意味合いを持つ4枚目のスタジオ・アルバム「DESTROYER」(1976年)の、マスターテープを元に再ミックスした作品だ。まず注目したいのはジャケットで、かつてジーン・シモンズ(Vob)が、映像作品「KISS MY ASS THE VIDEO」で紹介していた初期段階のアートワークが使用されている。そのビデオによると、初期段階の絵はメンバーが着ている衣装が、「ALIVE!」時代のものだったので、新たな衣装で描き直してもらったとの事で、これまで世に出回っていたジャケットは、その改訂版であったが、今回は初期段階の絵が使用されているのが興味深い。

食事を終え車に乗り、カーラジオのスイッチを入れ走り始めるお馴染みのSEから始まる「DETROIT ROCK CITY」、そのエンディングで車がクラッシュし大破する音から、ギターのフィードバック音に繋がり「KING OF THE NIGHT TIME WORLD」へと流れ込む演出は何度聴いても素晴らしい。冒頭の2曲を筆頭に本作はキッスの代表曲であり、ライヴにおける定番曲となっている「GOD OF THUNDER」「SHOUT IT OUT LOUD」「DO YOU LOVE ME?」が収録されている他、ピーター・クリス(Vods)と言えばこの曲となっている「BETH」も収録されており、今後の活動においても重要となる名曲の数々が、この時期に生み出された。また余り取り上げられる機会の無い「GREAT EXPECTATIONS」「SWEET PAIN」も良曲である事を再認識。「DESTROYER」発表後、一時期だけライヴのセット・リスト入りしていた「FLAEMING... 続きを読む
(PSYCHO村上 2012年09月12日) from Amazon Review

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