基本設定は所謂厨二的要素のあるアクション系のアニメです。
1クール目では集という主人公が如何にして葬儀社という仲間の一員になるかを描いています。
それと並行して、身の回りの友人たちの絆を深めていくというのが作品の大まかな流れです。
小気味良いテンポで話が進んでいき、展開も毎回程よく盛り上がりを見せるので時間を忘れてみることができます。
その上、時折伏線を散りばめ、絶妙な表情の描写による感情表現もあり、とても先が気になる作りでもあります。
上に小気味良いテンポと書きましたが、それはつまり短い時間で映像が描写されていく訳ですからある程度集中して見る必要があるでしょう。
話がひと段落する12話までにキャラクターの心理状態・相関関係、すなわちプロットを把握しておくとより一層2クール目を楽しむ事ができるはずです。

本題は2クール目です。周りの不遜な態度の積み重ねによって1人の仲間が惨い死を迎え、それを契機に紡がれた絆が一気に崩壊します。
ひょんな事からすれ違うというのは我々の人間社会にもよくあることですが、すれ違いの積み重ねが引き起こす悪夢というストーリー展開は興味深いものがあります。
終盤では主人公はまさに「聖人」となり、キリストの如く己を犠牲にして世の中を救おうとするのですが・・・・
このアニメでは各種設定において聖書の内容がモチーフになっており、さらに進化論の思想を織り交ぜて構成されています。
さらに言えば、アダムとイヴの誕生は人類進化の一過程にすぎないものだったと言わんばかりで、キリスト教を信じる者にとっては背徳的な内容です。
まさに水と油をかき混ぜている状態なのですが、こういった本来混ざらないものを混ぜてしまっても違和感がないのは不思議です。
まぁそれは宗教観にこだわりをもたないからなんでしょうが。

ラストに関しては、個人的に考えうるなかで最もハッピーエンドだったのではないかと思います。ネタバレにならない程度に書きますと、
様々な意見があるかとは思いますが、記憶にあることこそが重要であり、それは永遠の存在だという考え方ならば幸せなのです。... 続きを読む
(spitz 2012年11月23日) from Amazon Review

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