まさか外伝が出ていたとは!
完結したと思い込んでいたので今更購入しました。

今巻では#9の後の話や過去のエピソードが語られます。
切開にいきいきする紫苑やうまく切り返されてたじろぐネズミなど、おなじみの小気味よい掛け合いは健在。
ただし楽しい話だけでは終わらず、特に「紫苑の日々」では苦悩する紫苑の姿が見えます。

紫苑は今までも純粋な面と非情な面を併せ持つ存在として描写されてきました。
#9の終わり方では#1から続く真面目で優しい少年といったイメージでしたが、今巻では母や仲間を思いやる部分はそのままなものの、冷酷な面がはっきりと現れています。
ネズミもネズミで、紫苑には本来の優しい彼のままでいてほしいという願いがあるようですが、理想化して依存しているようにも思えます。

#9を読み終えた時点では、
「色々ありながらNO.6を健全に再建した紫苑の元にネズミが帰ってきてめでたしめでたし」
という未来をぼんやり想像していましたが、どうやらそうはいかなそうです。

しかし、考えてみれば今巻での不安は、今までにも想像できた種類のもの。
「めでたしめでたし」という甘い結末よりも、しっかりと苦難を乗り越え、成長する彼らの姿が見たくなりました。

紫苑の父と思しき男性も登場し、これから一波乱ありそうな様子。
今巻は独立して楽しめる外伝というよりも次シリーズへの布石といった印象を受けたので★は一つ減らしておきますが、ぜひ続編を読みたいところです。
(aim 2013年01月29日) from Amazon Review

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