☆をいくつにするか迷った。
ある意味では五つであり、ある意味ではゼロだったので間を取って☆三つにした。

アライ jr が瞬殺された時点では、ボクにはまだ喜ぶ気持ちもあった。
早く父子対決を見たかったからだ。

『もうすぐラストバトルが始まるはずやから(震え声)』

これがボクの、アンチバキへの精一杯の反論だった。
しかしそこから決着が付くまで、単行本にして 37 巻を要するとは想像だにしなかったが。

『範馬刃牙』に改題して以降、「〜〜は一体何だったのか」と何度も言ってしまった。
第二部終了時にも「アライとは一体何だったのか」という気持ちがあったが、
『範馬刃牙』はそんな疑問がちっぽけにおもえるような、無茶苦茶な新展開の連続だった。

妄想カマキリとは、ゲバルとは、ピクルとは一体何だったのか。

思いついた端からどんどん漫画に描いちゃう板垣先生には
遺産をギャンブルで一気に使い果たす没落貴族のような、
そんな頽廃的なスゴ味を感じた。
長年培ってきた「格闘漫画」としての資本を
ほとんど無軌道な思いつきで、湯水のように費やしていくその様を―――
やがて人は「ギャグ漫画家」と呼ぶようになった。

ピクル編終了後、『範馬刃牙』は開始以来最大の迷走を見せる。
目的を失い宙に浮いたストーリーはあらぬ方向にねじ曲がり、
一部で失笑を、一部で喝采を浴びた。

この間、ストライダムが勇次郎に挑戦したり、
柴千春がバキに喧嘩を売ったり、
勇次郎の好物がメフンだとわかったり、
バキの脳みそが鬼脳だと判明したり、
達人や武神が今さらのように一般人と喧嘩したり、
あげく烈海王がボクシングに挑戦してそれで数巻費やすなんてことがあった。
ストーリーの破綻が極限に達した期間であった。

そんなこんなでついに到達したラストバトルの決着は「エア夜食」。
妄想カマキリに始まり妄想みそ汁で終わる。... 続きを読む
(もっちゃん 2012年10月09日) from Amazon Review

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