世界の不条理に対して目を背けず抗わなければならない、というメッセージがストレートに伝わってくる素晴らしい作品だった。
客観的に見れば、シロの行為は絶対悪(嫉妬でガンタの友人を皆殺しにするなど)であり、許されるものではない。
実際に、ガンタも最初から全てを知っていたら絶対に許さなかっただろう。
しかし、13巻の物語の過程を通じることにより、ガンタが道徳的に許容されないだろうシロの行為をそれでも受け入れる心理状態を形成していった。
この形成過程は矛盾なく説得力を持って提示されており、見事と言わざるを得ない。
また、一見無邪気で何も考えていなかったかのように見えたシロの心理が明らかになった時、この物語の核が明らかになる。
幼少期に壊れていくシロの心理過程、ガンタによる救いと裏切り、そこからの絶望と嫉妬、死を求め最後にガンタと戦わざるを得なかったシロの心理、でも、その心の奥の「死にたいはウソだ」のセリフの伏線、全ての点においてシロの心理過程の描写は非常に矛盾なく説明されており本当に見事であった。

今後はどうなるのだろうか?不条理自体は解決されていない。最後の描写は警察病院でのものであり、シロの行為が社会的には許されていないということを表している。シロが目覚めたとしても、いままでの行為が許されて釈放されるとは考えくい。ガンタとシロはこの状況に対してどのように立ち向かっていくのか。
物語としては、非常に良い終わり方であったが、今後こそが2人にとって非常に大変かつ重要な工程であり、見てみたくはあった。。。
(IZUMI 2013年09月01日) from Amazon Review

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