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スローダウン、中弛み、前巻の勢いが無い、なるほど。そうとも取れますよね。 この巻、確かにZQNが出て来ないし(前半は別として)、人も死なない、まったりとした時間があります。 でも私にはこの巻も面白かったです。 むしろ、こういう巻があるからこそ、この漫画独自の面白さが築けているのだと思います。 この漫画にははっきりと狙った緩急があります。 分かりやすいのは1巻、日常をしっかり描いた上でのラスト。 最初に比呂美が登場したシーンや、富士山で一休みしたシーンなんかもそう。 この漫画には人を描き、キャラクターの魅力を引き出し、感情移入させるフェイズがあるのです。 これが無ければこの漫画、ただの血みどろグロホラーですが、 それだけの物が好きならば洋物のホラー映画が溢れているのでそちらを見た方が良いでしょう。 そんな物なら今までも腐る程あったのです。
人がたくさん死ぬ話って一種の中毒性がありますよね。 進撃の巨人、デスノート、テラフォーマーズ、シグルイ、バトル・ロワイアル、etc..etc... それらの作品の良し悪しはともかくとして、共通して言えるのは、 最初のインパクトがスゴイという事。 読者は、そのインパクトを継続して求めるという事。 でも、ただ同じように人が死に続けても読者はすぐに飽きるという事、です。
何故アイアムアヒーローが他の漫画と一線を画して面白く有り続けているかと言えば、 最初から通して丁寧に人間を描き、掘り下げる事を怠っていないからだと私は思います。 日常のパートや、平凡な人間の機微をここまで、愚直なまでに丁寧に掘り下げるホラー漫画を私は他に知らない。 だから、英雄がちょっとした勇気を振り絞った時、銃を撃った時「キター!!」となる。 比呂美がZQN化した時も「あぁぁ・・・」となる。 それは、感情移入出来たから。 仮想現実の中で、人が死ぬ時、傷付いた時、必死になった時、胸に届くかどうかは感情移入が出来るかどうか、 その価値を持たせられるかに掛かっています。...
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(とっつぁん toshi 2013年11月06日) from Amazon Review
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