毎度のことですが、初読から続けて5回は読み返しました。

殴られ続けてゆくうちに、昔の荒々しさを見せるトルフィン。
相手を挑発して、なんとしても100発耐えてクヌートと話をする!という気持ちの現れにも思えました。

そのトルフィンを見ているうちに全員が真剣な表情になった光景は、敵味方なく全員が見守っているようでした。
「オレに敵なんかいない」と言ってのけたトルフィンの後ろに見えるクヌートの配下も、ほんとうにトルフィンの味方のようで。
オルマルと同じく、かなりぐっときたワンシーンです。

さて、いよいよのクヌートとトルフィンの再会。
賛否両論あるようですが、わたし個人的にはほんとうに安心しました。
クヌートはやっぱりクヌートだった。
爆笑しているクヌートを見て、出会った当初、馬車の上で言い争っていた二人の姿を思い出し、
あの頃のクヌートはまだ女の子みたいだったとか、トルフィンもものすごい悪童だったと思いましたが、
逆にそういうモノローグみたいなものがないのが良いと思います。
お互いに、変わったと言いましたが、ほんとうは変わってなかったということを、確認した。
これ以降、クヌートは非常に朗らかな表情を見せ、スヴェン王の亡霊が出現することもなく、
ほんとうに解放された、というのが、潔い表現と絵からありありと伝わってきて、感慨深かったです。
「よい気分だ」と呟いたクヌートの1枚絵からは、彼の今までとこれからの孤独を感じました。
でもクヌートは、トルフィンに救われた。

オルマルが立派な当主になり、大旦那様もまだまだ健在で、蛇もそばにいる。
客人たちは文句を言いながらも蛇に従ってここで頑張ってゆくのでしょうし、
スヴェルケルは相応の罰を受けた。
いい意味ですごくきれいな終わり方だと思いました。
今まで、トルフィンもエイナルも、報われることのなかった人生ですから、やっとそれが見られてよかった。

それにしても、顔が腫れあがったトルフィンのかわいいことと、ユルヴァの期待に応えてくれることw... 続きを読む
(トマ子 2014年03月01日) from Amazon Review

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