数々のお叱りを受けている本作品ですが、私は大好きです。だから迷わず「まるっ!」と満点。作品の作り方も迷いがないというか、素直な直球勝負で三人の立場を違えた少女たちの青春と友情を愛情ある視点で描いているあたりに好感が持てますね。また鴨川という個性豊かな街を舞台にしているのも素敵です。

京乃まどかは鴨川女子高等学校、通称鴨女・ジャージ部のたった一人の部員。このジャージ部の発想からしていい。困っている部活、生徒、住人、動物すべてに精一杯の救いの手を差し伸べるというのが部活動の内容。人手の足りない部活動に助っ人として入り、溺れかけている人を救助し、木から降りれなくなった猫に手を差し伸べるまどかは分け隔てなくみんなのために働く愛がいっぱいの元気娘。そんな彼女が、なぜかオービットなる不思議なロボットに搭乗し、宇宙からの侵入者らと戦うことを促されます。そんな状況に追い込まれながらも、まどかが広い世界を垣間見、様々な人の思いに触れ、己を見つめながら成長してゆくというのが物語の骨子。

まどかは一連の事件を通して、同じくオービットを操ることを運命づけられた二人の少女と出会います。一見すると冷たそうな容姿が近づきがたいクールビューティーのランは本当のところ相当に親しみやすく可愛らしいドジッ子、要領よく振舞っているかに見えるグラマラスで能天気なムギナミには実は悲しく壮絶な過去があります。まどかにしろ、元気な笑顔の裏にはトラウマから孤独に対して極端に恐れを抱いてしまうという弱さが隠れていたのです。運命の糸に導かれるかのように出合った三人は互いの弱さを知った上で、手をたずさえながら心から信頼し合える親友になってゆきます。笑顔も涙もいつも三人いっしょ・・。青春ドラマの王道のような展開ですが、演出には屈託のない外連味があって、とても爽やかで心温まります。

オービットに乗るということは戦わなくてはならないということ。しかし、三人の少女らはジャージ部の「自らが心から願うことをする」という理念をあくまでも貫こうとします。戦闘の中にあって、違和感のある戦いに対しNOを突き付け、あくまでも愛と平和を説こうとするまどかと仲間たち。ロボットアニメの新次元でのありかたを示しつつある作風がとてもユニークかつ心地よい。... 続きを読む
(クマサン くまさん 2013年10月26日) from Amazon Review

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