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刊行サイクルが遅くなり、もはや完結しないのではないか、と思っていた人も多いかもしれない。 実際、あとがきで作者自ら書いているように、ライトノベルの世界は、いつの間にか立ち消えていることも多い世界だ。 だから、こうして完結したことについて、まずは作者とイラストレーター、そして出版社の英断に拍手を送りたい。 第一巻の時点からは、想像も出来なかった終わり方だとしても。
たとえば。 蓮實重彦が長年にわたって続けてきた「『物語』の批判」を背景に、 ライトノベルにとって本質的だと考えられているキャラ(クター)達の生命の問題について 東浩紀のデータベース型(消費)論以降をにらみながら 埴谷雄高の『死霊』を、ライトノベルのフォーマットで試みてみた ……と、もし、この最終巻が第5章で終わっていたならば、 この作品は、そうした図式(物語)に押し込められてしまうものになっていたかもしれない。
だが、その後に、最後の一章、第6章が続き、そうした図式から溢れる何かが産まれる。
サービス満載の挿絵が連続するこの最終章において、 たとえ文は前章からの続きのメタな匂いを残しており それが、懐かしいころねやけーなたちの姿とどこかズレを感じさせる、ということはあっても 作者は、この物語がはじまったころの空気を呼び戻し あくまでも物語として完結させ、ライトノベルとして自らを肯定する。
それは軽さの徹底的な肯定が語られていた第5章の延長線上ではあり、 そうした軽さは、現実に対して、本当は夢に過ぎないということも、再び最後に示唆されるのだけれど これほどまで多くの物語(ライトノベル)があふれる中で、 私たち(読者そして作者)は、どんな希望を見ることが出来るのか、 絶望的な状況であるにもかかわらず、それは、どこか不思議なほどの幸福に満ちている。
……こうした「形而上的ライトノベル」の試みが、 本当のところ、どれぐらい成功したか、その判断は読者によって大きく分かれるだろう。...
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(Donten 2014年03月31日) from Amazon Review
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