連載当時から単行本を集めており、本誌でも追ってはいるが、個人的にはここ最近の数巻、更に言うと30巻後半入ってからは読むのがツライというのが本音である。
銀魂はもうこんなに長い間 連載が続いている作品なので、絵が変化し、話のネタも底をついてくるのは、ある意味自然なことなのかも知れない。

銀時の人物像として、普段無気力で貧乏で適当でだらしが無い、カッコ悪いところはあるけれど、ここぞという時は心底頼れる!強い!かっこいい!!と思わせてくれるようなギャップが読者を魅了していたのだと思うが、このバランスは今完全に崩れてしまったと言ってもいい。
初期にあんなに印象に残ったひとつひとつの銀時の台詞が、今では読んでもなんとも思わず素通りするほど、重みもインパクトもなくなっていった。
逆に見せ場で相手にどんなに正論を言って、かっこいいことをしても、自身は他キャラに好き勝手酷いことをやっている通常パートやギャグパートとの言動の矛盾ばかりが目につき、本来作者が意図するところの読者に響くはずの言葉ですら違和感を感じるという悪循環を起こしているばかりである。
端的に言えば説得力がない。
どんなになっても、変わらない信念が一本真っ直ぐ通っている姿は銀時の銀時たる一番の"らしさ"だったのではなかったか。
また他のレビューで指摘されていたように、助けて諭すにしても前は道徳観自体は相手に投げていた懐の深さがあったのに、今はただただ押し付けがましく思う。
作品を通して銀時のキャラクターが悪い意味でブレている。

桂も堅物で一途な性分、戦が終わって仲間と袂を分かちつつも自らの信じる志のもとに戦っている熱い精神の持ち主である一方で、真面目に意味不明の大ボケをかますギャップが面白かったし、個人的にも好きなキャラクターなのだが、彼の攘夷活動も今や本巻の証明写真回のようにギャグで申し訳程度にしか扱われなくなった。
むしろ攘夷志士そのものが最早完全にネタ化している。... 続きを読む
(旅丸 「 2014年07月24日) from Amazon Review

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