大人気漫画『宇宙兄弟』待望の新刊が出た!!! 『宇宙兄弟』は、南波六太・日々人兄弟が、宇宙を目指す……と一言で片づけることは到底できない、あらゆる登場人物の生き方が詰まった漫画だ。それだけでも素晴らしい漫画なのだが、最新刊はどうしても取り上げたかった。

登場人物に、幼少期に主人公のふたりに多大な影響をあたえた金子シャロンという天文学者がいる。シャロンは突如ALSを発症する。弊紙読者にはもはや説明は不要だと思うが、ALSは次第に身体を動かすことのできなくなり、いずれ死んでしまう難病だ。シノドスでは、『宇宙兄弟』でALSが登場したことを受けて下記2つの記事を掲載している。

地球で生きる宇宙飛行士――『宇宙兄弟』はなぜALSを描いたのか? 川口有美子×佐渡島庸平

ALSとの遭遇――『宇宙兄弟』作者とALS患者の想い 小山宙哉×岡部宏生×橋本操×川口有美子

前者は『宇宙兄弟』編集者の佐渡島庸平さんと日本ALS協会の川口有美子さんの対談。後者が作者の小山宙哉さんとALS患者の岡部宏生さん、橋本操さん、そして川口有美子さんの座談会だ。

最新刊の24巻には、この取材がもととなった2つの話が収録されている。取材後、「『宇宙兄弟』の愛読者に、(補完するかたちで)これらの記事を読んでいただきたい!」と思っていたのだが、この2話を読んでからは、むしろシノドス読者に『宇宙兄弟』を手に取ってもらいたいと思った。

というのも、長さだけでいえば弊誌掲載記事のほうが何倍もの量であるにも関わらず、たった2話で、記事では伝えきれなかった、岡部さん、橋本さんの性格や生き方が、見事に描かれているからだ(さらにいえば、見た目もそっくり)。

例えば橋本さん(『宇宙兄弟』では幸田さん)の少し強気な性格(宇宙飛行士とALS患者が似ていることを受けて、「宇宙遊泳は六太さんより私の方が先輩」というセリフ)、岡部さん(田井さん)のダンディーさ、おふたりの佇まい、生きることへの姿勢……座談会で伝えたかった要素が、文字だけでは伝えきれなかったものが、凝縮されて詰め込まれている。... 続きを読む
(synodos 2014年09月28日) from Amazon Review

この口コミ&評価は参考になりましたか?はい いいえ
324人中、161人の方が「この口コミ&評価が参考になった」と投稿しています。