とても酷い、とても酷すぎる最終巻でした。

詳細な内容についてはすでに他の方が述べていますので省きますが、読んでいて幸せになることはまずないので、覚悟を決めて読むことを強く勧めます。これまでのストーリー崩壊や前巻でのあまりの酷さを踏まえ相当な覚悟をもって読みましたが、やはり受け止めるのがとても辛い結末でした。正直、10巻の時点で未完になっていた方が読者としてはまだマシだったかもしれません。

そもそも肝心のストーリーが最初から滅茶苦茶でした。あれほど惨憺たることになったクリスマスの事件は新学期が始まった際、小鷹が「自分は不良ではない」といった自らの説明をしたことであっさり皆と和解し解決します。夜空が小鷹をフォローしたというのもありますが、その夜空もクリスマスの件ではみなから非難される立場であったという設定はまるで無かったかのようになっています・・・学級崩壊を思わせるほどのクリスマスだったにも関わらずこれでその件は終了します。驚いたことに10巻における山場はすぐに解決しまったのです。あれほど膨大なページを費やして描かれたいじめにも近い光景がわずか数ページで解決とは・・・人狼ゲームといい本当にいきあたりばったりでストーリー変遷に驚きです。

小鷹の恋愛関係も最悪でした。幸村との交際は清い交際のまま何も進展せず別れることなります。しかも最初は幸村に告白されて返事をした際は隣人部の人間とは付き合わないという理論でかわしていたのですが、小鷹自身は理科に告白して振られるので全く説得力がありません・・しかも幸村と交際しながら理科に思いを寄せ続けるなど不誠実の限界に挑みます。また夜空も小鷹に告白しますが「異性としてみたことはない」とふられてしまいます・・・メインヒロインであるはずの夜空の恋物語はこれで終わり小鷹とは別の大学と進学します。星奈は大学自体は小鷹と一緒になりますが、告白などを全て幸村をはじめとした他のキャラたち奪われ何の恋愛もなく卒業します。誰も選ばないといえばまだ救いがありますが、ただ単に「自分は好きな人が複数いるので選べない」という最悪の理由だったので同情の余地がありません。... 続きを読む
(コーヒータイム 2015年08月26日) from Amazon Review

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