―――少しでも素晴らしい作品を作ろう。
―――少しでも愛される作品を作ろう。

製作スタッフのそんな声が聞こえて来る様な作品に「マクロスF」はなった…と。そう思わせてくれたのは「虚空歌姫」「恋離飛翼」と云う、新しいマクロスFの世界を見る事が出来たからでした。その位に、2本を一つの作品として見た時の「劇場版マクロスF」は良く出来ていたと思います。

菅野さんの作り出した音楽と二人の歌姫のそれぞれの魅力に満ちた歌声。前編から更に綺麗になった映像。その音と映像が声優さん達の名演技に溶け合う様にして描き出される戦闘シーン…特にラストの『サヨナラノツバサ』の戦闘シーンは何度見ても魂の震える素晴らしい場面でした。

そして物語に関しては…前編の「虚空歌姫」に後編のシナリオを円滑に回す為の全ての歯車が埋め込まれていた。最初からアルトの「内側の人間」に変更されたミシェル・ランカの立ち位置。ミシェルからオズマに変更されたアルトの成長を促す役目。そしてアルト・シェリル・ランカの『恋愛以外の部分も含めた』綺麗で優しい三角関係。

―――特に、TV編ではぼかされていた早乙女アルトと云う主人公の輪郭が、劇場版では非常にクリアに描かれていました。だから今回のアルトは非常に共感し易い、存在感の強い主人公になっていた。彼の心情を前編から通して追い掛けて見ると、彼が選んだバジュラとの和解の方法や最後に二人の少女に伝えた言葉も、とても納得の行く物になっていたと思います。... 続きを読む
(鈴ぷ 2011年10月24日) from Amazon Review

この口コミ&評価は参考になりましたか?はい いいえ
99人中、49人の方が「この口コミ&評価が参考になった」と投稿しています。