クリアした第一印象は「製作者側の傲慢さ」と、「薄くペラペラに引き延ばしたシナリオ」でした。このシリーズはもはや、骨太の「作品」ではなく、キャラや萌えにお金を出してくれる層をターゲットにした「商品」なのでしょう。2週目の引き継ぎが「湯着」や「水着」ですよ…。一応、まだ「ストーリーRPG」を標榜しているようなので、以下、少し目に余った点を挙げたいと思います。

▼投げっぱなしの伏線、放置された至宝(とユーザー)
このシリーズが始まり10年。幻焔計画には4作を費やしました。しかし、それだけの時間を使っても、計画の全貌が明らかになるどころか、計画の目的が何なのかすらさっぱり分かりません。「空」は少なくともリベルアークと「輝く環」の顕現、その実は環の回収とはっきりしていました。そこから、結社とは失われた至宝を回収し、世界の変革(あるいは再構成)を目指すのだ、と漠然と感じさせました。
しかし、幻焔の「幻」は人の手による「幻のデミウルゴス」の顕現を果たしたが、その結果には興味がない様子。「焔」は2機の騎神の「衝突」が目的と仄めかしながら、その意味は不明です。そして、なぜこの2つを同時進行させて、何の成果を得るつもりなのかが判然としないため、ユーザーはほったらかしです(まあ、想像できる部分もありますが…)。
いや、いいんですよ。これが1作ないしは最低でも2作までに収まっていれば。でも、4作でこれでは、引き伸ばしと言われても仕方ないでしょう。しかもストーリーは浅く薄いのですから。圧縮して濃密な物語にすることは出来たはずだし、出来ないのはシナリオ担当の力不足か、分割商法以外の何物でもありません。
軌跡シリーズの縦糸は結社と教会、そこに色んな国家や勢力といった横糸が絡み合い、目の詰まった織物となるはずだったと思うのですが、この目が粗く、スカスカです。... 続きを読む
(rakuma 2014年10月16日) from Amazon Review

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