これまでこのワイルドアームズシリーズはプレイしたことがなく、というかゲーム自体それほどプレイしているわけではないのですが、たまたま中古で見かけて絵的に気に入ったのでプレイしてみました。

感想ですが、こちらでレビューを書かれている方々が書かれているように主人公ジュードの「他人に優しくあるべきだ」「誰も傷つけたくない」「人を傷つける戦いはよくない」といったさかんに発する言葉と彼の実際の言動の隔たりが大きすぎて説得力をなくしてしまっているというのがまず第一印象です。

彼がヒロインのユウリィを守りたいと思ってそのように行動しているように、ベリエールもサイスを一途に愛して彼を守りたかった、しかしジュードは彼女の訴えにまったく耳を貸さずに彼女を「自分たちに敵対する者、自分の村を襲った連中の仲間だから悪い女」として全否定して一かけらの同情心もなく彼女を罵り、彼女が自分たちの手によって死ぬ時に発したサイスへの想いを込めた言葉を聞いても何ら心に感じた様子もなく、平然とした態度のままです。

これでは彼が「優しくあるべきだ」「誰も傷つけずにすむ方法があるはず」などと言っても説得力はまったくなく、このことで、ベリエールにひかれて(彼女のような美しくて一途で献身的な女性に魅力を感じる方は多いでしょう。逆に愛が重すぎるという方もいるでしょうが)彼女に同情した方々がジュードに激しい怒りを覚えて憤慨したり、ジュードの言動を偽善的に感じて批判する方々が多くいらっしゃるのも分かります。

私は物語の主人公が必ずしも人道的に正しくあるべきだとは思いません。ただ、善悪は別としてキャラクターが魅力のあるものになるためにはその言動が一貫していることが大切だと思います。私が大好きなある漫画のキャラは、ジュードとほぼ同じかもう少し年下くらいの年齢で、片親しかいないけれども、その親と周囲の愛情に囲まれて不自由なく育ったという点、しかし突然、理不尽に父を殺されて孤児となる、すべてをかけて守りたい年上の女性がいて彼女のために命をかける、とさまざまな点でジュードと重なる部分があるのですが、彼はジュードとくらべてはるかに言動が首尾一貫していて、そのためにジュードと同様の事を言ってもずっと説得力があり心がうたれます。... 続きを読む
(春日七月 2010年03月21日) from Amazon Review

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