「龍が如く」はヤクザ、つまりアウトローで生きる男達の生き様を土台にストリーが構成されており、本質は任侠モノです。
しかし3 4 5と続編が重ねられるにつれ、主人公が神格化され、次第に舞台となるヤクザ組織が弱体化し、小物やよく分からない一般人がストーリーに絡んだりと、初代に比べ何か続編は物足りなさが残っていました。

そのマンネリを回避するため、原点回帰を目指し作られたのが前作「龍が如く0」です。
本来外伝的な位置づけだったはずが、むしろヤクザ組織全盛期の迫力あるストーリーと、シリーズ人気キャラの主人公化、さらに洗練されたシステムと相まってファンの間ではシリーズ最高傑作の1つと言われるほどの作品になってしまいました。

その0のシステムを使って初代をリメイクしたのがこの「龍が如く極み」ですが、純粋にゲームとして見た時には残念ながら「龍が如く0」を劣化させたと言ってよい内容です。
操作できる主人公が2→1人に減り、戦闘システムは0の流用、サブストーリーやミニゲームも大半が1や0の焼き直しです。
音声を録り直したりと丁寧に作り直しているのはわかるのですが、0も原点回帰を目指していただけに、往年のファンからすると新鮮味に欠けるという批判は出ると思いますし、「龍が如く6」に向けた資金集めなど大人の事情が透けて見える部分もあります(PS3で龍が如く1 2のHDが1年前に発売されたことからも明らかです)。
ただし、この辺りはリメイクと呼ばれる作品皆が背負うもので、本作品だけが特別ダメというわけではありません。

しかし、さすがセガ。上記のような批判を受けることも覚悟で大きな仕掛けを施しています。
それは錦山、主人公のライバルで本作品のダークヒーローの過去話を各章のはじめに挿入し、順々に両方の話を進め交差させ、桐生(主人公)と錦山の最後の対決に合わせて両方の時間軸が一致するようストーリーを組んだことです。
つまりリメイクにより、桐生1人の物語から、桐生と錦山の物語に変わったわけです(本作のパッケージデザインはそれを暗示しています)。... 続きを読む
(maro 2016年01月27日) from Amazon Review

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