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暗い海底から明るい空の上へと真逆の舞台となった本作に衝撃を受けながら、 トレイラーで見た美しさと何とも言えない不気味さは流石はバイオショックだ、と期待していた。 3周プレイしたが、感想としてはとても面白い。が、どこか物足りない。 何かが足りない。何かが違う。
ありふれた武器やビガー(前作でいうプラスミド)には魅力を感じないし、銃が便利な上にビガーは使いづらい物が多く、結局は銃に落ち着いてしまう。トレイラーではあったはずのテレキネシスも何故か無い。
戦闘や操作の快適さは今まで以上だが、 開けた空間でシールドを気にしながら、遮蔽物に隠れ、 距離を開けて射撃してくる人間の頭を狙う。 これではまるでどこにでもあるFPSではないか。 なぜ、バイオショックならではの面白みを削ってまで、 一般的なゲームへと変貌させようとするのか。 番外編とはいえ、シリーズの面白みというのはもっと多く残しておくべきだと思う。 トレイラーの方がよほどバイオショックらしかった。
また、「ビッグダディは居ないが、更に恐ろしい存在がいる」 と製作者は述べていたが、 実際に戦ったのは度々現れる異常なまでの硬さを持つだけの存在だった。 トレイラーでの演出は不気味そのものだったが、 本編では普通に湧いてくるので存在感の欠片も無く、 ビッグダディには到底及ばない。
そして何より、舞台であるコロンビアの世界が薄いのだ。 見入ってしまう程美しい場面は数多くあるが、 全ての音声日記を聞いてもコロンビアには深く入り込めず、 探検する場所も、狂気を感じるような人物も、不気味さも、グロテスクな演出もない。 ラプチャーはバイオショックの一番の魅力だったが、 コロンビアはあくまでも舞台に過ぎない、そんな印象を受けてしまった。...
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(甘水 2013年09月15日) from Amazon Review
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