主人公は厳しい現状をやり過ごすためにいつも「呪文」を唱えています。
曰く「僕は@@よりは幸せだ」「○○はもっと悲惨だったろう」
話が進行するにつれて、魅力的なキャラが次々登場してほのぼのするというのに
状況はどんどん悲惨になり、彼が必死に唱える呪文は残念なことに効き目を失っていきます。
絶対的な不幸の前に彼の相対的な幸せは簡単に崩れさってしまうのです。

でも、ラストの彼(やサガを初めとする周囲の人達!)の笑顔を見てくださいよ。
ラストの彼には「僕は△△より幸せだと思おう」と言う必要なんかもう全然無いんです。
誰かと比較して確認するまでもなく彼は心の底から幸せなんだから!
何故彼が幸せになったのか?
その描き方を稚拙だと感じる人、エピソードが無いと批判する人、漫画的だと文句を言う人も、受け入れられない人もいるでしょう。
でも、僕はこの映画を全面的に肯定します、この監督が全面的に人生を肯定したように。
 
(sergio_mendes 2004年12月29日) from Amazon Review

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