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(文中でネタ晴らししています。ご注意下さい。)
最初は「美少女と銃器と戦闘」という「キャラ萌え」、アクション・シーン、使用銃器への興味などの面白さで読んでいた。
だが、次第に彼女ら義体の悲しい過去、短い寿命、「条件付け」による担当官への「盲愛」などに、自然と悲しさ・哀れさを覚えるようになった。中心人物のクローチェ兄弟の宿命。テロで亡くした最愛の妹への「愛」を感じる義体へのネーミング。シチリア休暇の夜、妹の亡霊までが兄の眼前に現れる。
やがて、テロリストたちも「人間」であることが判ってくる。 フランコとフランカ、ピノッキオたちの反体制=テロリストという生き方、彼らに訪れるであろう運命を想像すると、公社の義体もテロリストも同じ哀しみに包まれた「同じもの」ではないかとさえ感じた。
最初の山場はアンジェリカの義体最初の死=犠牲。 彼女は実の両親に殺されかけた。そして義体となった。 不安定で未熟な技術ゆえ、徐々に体調を壊してしまう。 しかし「条件付け」は危機の瞬間に「担当官」の命を救い、彼女自身は最早助からない状態へ。 「担当官」の顔さえも思い出せなくなったアンジェリカがベッドで語る「パスタの国の王子様」。 「私達はみんなアンジェに支えられたのよ」と語っていた公社職員たちは、もう彼女の顔をまともに見ることも出来ない。
静かで安らかな死に顔は美しかった。 だがとてつもなく悲しく、それゆえ、最も美しかった。 映画「ブレードランナー」で人造生命体が自らの「死せる短い命」を受け入れて死んでいった姿を想起した。
この後から、ドラマは悲劇の色合いをとてつもなく濃く濃くしていく。 徐々に過去の記憶を失っていくトリエラとヘンリエッタ。 恐怖におびえるヘンリエッタを優しくトリエラが包み抱き寄せる。
ヘンリエッタとトリエラは「担当官」に最も愛された義体だ。 それを象徴するかのように、最後の戦いで、それぞれの担当官と折り重なって倒れて死ぬ。 そう、まるで「あなたなしでは生きていけない」と歌うオペラのように。...
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(ここはひとつ 2012年12月18日) from Amazon Review
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相田裕「GUNSLINGER GIRL」15巻。
10年前、本屋で電撃大王の表紙を眺めていたらそこに映っていたのは銃を抱えながら微笑むヘンリエッタだった。 あれから10年・・・紆余曲折を経て長い長い物語が完結の時を迎えた。一切のごまかしや予定調和はなし 完璧にキャラクター達の顛末と「それから」を描き切って何一つの後退されを残さずに閉幕 結果として、誰もが安易な奇跡の手には掛かれなかった だけど、そんな彼女らが残した世界と残した「希望」を見ていると 確かに厳しくも優しいあの日々には意味があったんだと思える・・・万感のラストで。 それが悲劇だったのか、それとも価値のある生だったのか、はきっとここまで読んで来た読者ならば誰もが理解してると思う。 涙を流すようなドラマチックなラストではなく、ホロリと染み渡るようなとても現実的で、だからこそ素敵な終着点。 一読者として約10年間ここまで付き合って終わりを見届けられた事、それがとても良い終わりだった事 最後まで逃げずに彼女達の一生を紡いでくれた事に最大限の感謝を。 「GUNSLINGER GIRL」、 紛う事なき名作でした。「希望」をありがとう。
振り返ってみると、ロストアンドファウンド、喪失と発見の物語だったように思う。 始まりは誰もが喪失から、だけど喪失したからこそ得られた優しさや生き方が確かにあった 終着点に関しても多くのものや感情を失った捉え方によっては寂しいラスト だけど、そんな喪失によって見い出せた新たな時代がある 彼女たちが確かに創った未来があった。 何よりも、どの義体も人物も最後まで自分の使命と意思を全うして誇り高く散っていった事は間違いない 誰かの生き様や祈りの上に立っているのが先人達の残した希望である―、と考えると この作品が紡いで来たテーマの最終的な結論も垣間見えた気がした。 単純に精一杯生きたとか、そういう単純な話ではなく もっと大きな循環を感じさせる、尊くてこの先もずっと噛み締められるような深いテーマ性を感じられたのが個人的に嬉しかった。...
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(SATO 2012年12月15日) from Amazon Review
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相田先生、本当にお疲れ様です。 この最終巻を読みきったとき、言葉では表現し難い感覚に襲われました。フラテッロの絆、そしてそれぞれの結末。フィクションの話であるにも拘わらずこの終わりかたはどこか現実的で、だからこそ切ない。これを最後まで描ききった偉業。相田 裕先生は本当に素晴らしい漫画家です。 この作品に出逢えて、本当に良かった。相田先生、ありがとう。
(ロックン 2012年12月15日) from Amazon Review
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相田裕「GUNSLINGER GIRL」15巻。
10年前、本屋で電撃大王の表紙を眺めていたらそこに映っていたのは銃を抱えながら微笑むヘンリエッタだった。 あれから10年・・・紆余曲折を経て長い長い物語が完結の時を迎えた。一切のごまかしや予定調和はなし 完璧にキャラクター達の顛末と「それから」を描き切って何一つの後退されを残さずに閉幕 結果として、誰もが安易な奇跡の手には掛かれなかった だけど、そんな彼女らが残した世界と残した「希望」を見ていると 確かに厳しくも優しいあの日々には意味があったんだと思える・・・万感のラストで。 それが悲劇だったのか、それとも価値のある生だったのか、はきっとここまで読んで来た読者ならば誰もが理解してると思う。 涙を流すようなドラマチックなラストではなく、ホロリと染み渡るようなとても現実的で、だからこそ素敵な終着点。 一読者として約10年間ここまで付き合って終わりを見届けられた事、それがとても良い終わりだった事 最後まで逃げずに彼女達の一生を紡いでくれた事に最大限の感謝を。 「GUNSLINGER GIRL」、 紛う事なき名作でした。「希望」をありがとう。
振り返ってみると、ロストアンドファウンド、喪失と発見の物語だったように思う。 始まりは誰もが喪失から、だけど喪失したからこそ得られた優しさや生き方が確かにあった 終着点に関しても多くのものや感情を失った捉え方によっては寂しいラスト だけど、そんな喪失によって見い出せた新たな時代がある 彼女たちが確かに創った未来があった。 何よりも、どの義体も人物も最後まで自分の使命と意思を全うして誇り高く散っていった事は間違いない 誰かの生き様や祈りの上に立っているのが先人達の残した希望である―、と考えると この作品が紡いで来たテーマの最終的な結論も垣間見えた気がした。 単純に精一杯生きたとか、そういう単純な話ではなく もっと大きな循環を感じさせる、尊くてこの先もずっと噛み締められるような深いテーマ性を感じられたのが個人的に嬉しかった。...
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(西京BOY 2012年12月15日) from Amazon Review
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GUNSLINGERGIRL、長い長い物語の最後のお話です。
何気に手にとった一巻から、長い時がたって、今の私はあの頃とは何もかもが違ってしまったけれど、この物語の人々は最後までただ自分の道に殉じて駆け抜けて行きました。
思い返して見れば、まるで一本の映画を見てきた様な鮮やかな物語でした。 銃と暴力と理不尽に翻弄されて来た彼女たち彼らたちだけれど、最終回は静かにしんみりとそれぞれの新しい明日に帰結して行きます。
そして、逝ったあの人たちがそっと残して行った『希望』…。
幸せと不幸は、決して一括りで語られるべきものではありませんが、今この時を生きている人間の、その形の一つを見事に描ききっているように思います。
主人公たちフラテッロだけではありません。公社の面々、役人、軍人、テロリスト。あらゆる登場人物の『生』が見えてくる様です。
この世界も悪くないなぁとそっと目を瞑りたくなる、そんな読後感でした。
是非一巻からまた読み返してみようと思います。
この物語に出会えて良かったっ!
(YUKINOHANA 2012年12月15日) from Amazon Review
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当アイテムはおまけの小冊子付き特装版である。 初回限定等の触れ込みはなされていないが、重版が繰り返される性質の商品ではない(はず)のでお買い求めはお早めに。
さて、まず本編についてであるが、前巻にて“最期”の戦いが終結しており、この巻ではその後始末及び後日談が描かれる。 これが実に納得満足の見事な幕引きである。 終着駅につく列車がごとく急減速することのないじんわりとした着地。 これまでの道程を思い起こさせる伏線の回収や過去の描写の反映。 そして、未来への希望。 長くガンスリと接してきた読者にとってこれほどすんなりと胸に落ちてくる結末はないのではないだろうか。
次に小冊子について。 こちらはフルカラーで描かれる各登場人物に作者のコメントが添えられたちょっとしたイラスト集。 ページにすれば20頁にも満たないものであるが、本編では絶対に見ることのできない三頭身のデフォルメキャラは必見。 厚めのしっかりした紙による絵本のような装丁も好ポイント。 尚、本誌の方も別ver.の表紙にタイトルロゴは銀箔押しという特別仕様である。
というわけで、堂々の完結となった本作。 10年にも渡る歳月の果てに迎えた最終巻であるだけに、ここで改めてもう一度・・・と本棚に手が伸びる人も多いかと思う。 また、そうするだけの価値があり、この結末を踏まえた上でそうすることで得られる視点や発見もあることだろう。 一度読み切ってしまえばそれで終い、とはならない本作の充実ぶりに賛辞を───。 ブレることなく彼女たちの軌跡を描き切った作者に感謝を───。
(YKS 2012年12月14日) from Amazon Review
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前巻の新トリノ原発での戦いで一つの区切りがつきました。 そして後日談的な「流れ」の最終巻→15巻だろうと思い期待もせず購入しました。が、良い意味で相当裏切られました。 この15巻の中で、今までの14巻全ての伏線や、それぞれ生き残ったキャラ、死んで逝ったキャラの想いがこの巻に込められており最後まで「次は?次は?」と期待し読み続け、最高に充実した満足感で読破してしまいました。 永きに渡って初版を購入し続けていた私にとって、後悔せず、ずっと新刊を待ち続けて良かったと思う逸品でした。 まだ、未読の方がいらっしゃれば、今から1巻から購入してもいいと思います。
(よごよご 2012年12月13日) from Amazon Review
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表紙の絵が好きです。暗く残酷で悲しいストーリーです。明るい話にはなりません。読む分には飽きません。こんな漫画を考えるなんてすばらしいです。
(友ちゃん 2012年09月25日)
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クリアブルーの模様が入ったシンプルな背景に、青いラインでトリエラが描かれた綺麗な栞です。
透き通った、青と白が基調の栞からこちらへ微笑みかけるトリエラの笑顔は儚げな印象を与えます。
内容に関しては、自分が語るにはどうも語彙が足りませんので割愛します。
でもただ一つ確かに感じたのは
『この作品に出逢えてよかった』
という想いです。
(Lawlence merchant 2011年12月19日) from Amazon Review
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たぶん大方が予想していた展開です。消え去る運命にあったもの、少しばかりの
未来が残されていたもの、現在と戦うもの。
非常に重苦しい話ですが「ガンスリンガーガール」としてはこうなるしかなかったのかと。
最後にもう一波乱ありそうです。
生身だけどジャコモがやたらしぶといなあ・・・。
(Star Flight1 2011年12月18日) from Amazon Review
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