この作品は面白い。
歴史上の人物を主役に置いた小説や漫画は、主人公がわかりやすい正義感の持ち主になりがちです。
が、へうげものの主人公古田織部は、徹底的に自分の価値観を大切にしているのです。
こういう紹介をすると、物欲や出世欲のない清廉な人物像を想像してしまうかも知れませんが、一読していただければそうではなく、自分の世界を完成させようという欲望にとりつかれた人物というのが近いと思います。
それはわかりやすい成功像が見えにくくなった現代の日本人にとって等身大の価値観の主人公と言えると思います。主人公の目を通してデフォルメされた歴史上の有名人の1面や、実際の歴史事件との絡みも見所です。自分が歴史上のヒトコマに立ち合っているようで楽しめます。
(黒ネズミ 2015年02月10日) 

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前作の15巻、柿色だが、実は真っ赤だった。
今回は紫、紫禁城である。

拝謁かなった御茶頭様、活躍されたのでしょうな。
かぶきものの時代の終わりがみえつつも、先が見えない覇権確立の過程。
もうすぐ決着?
まだ週刊誌でも読めてないから、楽しみですね。

へうげが動く戦国から江戸。
江戸城内にも茶室はたくさんあったんだろうな。
情念と金と命のやりとりを包みこめるかへうげもの。
動く前の一服、命を救えるかもしれない。
(AURON FinalFantasy 2013年03月04日) from Amazon Review

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待ちに待った『へうげもの』16服を堪能いたしました。
第百六十五席から第百七十五席まで一気に巡らせていただきましたが、
15服は「関ヶ原」を中心に描かれていたため、
慶長5年(1600年)の二か月(9〜10月)の進行でした。

この16服は、いきなり慶長9年(1604年4月)からスタートし、
同11年(1606年)8月と2年5か月も進行してで終わっています。
今後の進行具合が気になりますね。
私はコミックでしか読んでいませんが、
現在の連載の進捗状況は、どこまでいっているのでしょうか。
古織ファンとしては、少しでも長く愉しみたいところ。

今回も山田芳裕ワールドを存分に味あわせていただきました。
独特のフェイス・デフォルメでは、
出雲の阿国(第百六十六席)、古織(第百七十一席)、細川忠興(百七十三席)がベスト3!
しかし…イメージ・フレーズ(擬音?)は、少々枯れ気味なのが残念。

本書でも一座建立、灰形など「茶の湯」の世界も、しっかりと学ばれた上で描かれています。
そして利休居士の遺品「竹茶杓 銘 泪」も久しぶりに登場します。

「へうげもの」は、エロ・グロ・ナンセンスな漫画です。
しかし、人間の崇高なまでの精神美と切ないまでの欲情が、
「ないまぜ」となっているところが「乙」の極み。
これはもう、私にとっては「たまらぬものなり」。
巻末の予告では17服は今夏発売予定とありますが、今から待ち遠しいですね。
(不識庵 2013年02月22日) from Amazon Review

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関ヶ原の戦い、そして石田三成の最期。

この漫画は死に際のキャラほど魅力的に描かれる特徴があるのですが、今回は石田三成でした。
彼の数寄にはあっと驚かされたし、主人公のこれからの運命も暗示させるもの。利休が死に、秀吉が死に、移り変わっていく時代。
主人公・古田織部も培ったへうげ殺法でのらりくらりと難局をかわしてきたけれど、ここからが本骨頂ということになるのでしょうか。

基本はギャグと歴史漫画ですが、第一に伝わることは
生きる術と死ぬ術 だと思います。
この巻の見どころは、石田光成の最期の数寄と
文字通りぶっとんだ古田織部でした。
(くるっくー 2012年08月08日) from Amazon Review

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何というか、『へうげもの』的見せ場だらけの『関ヶ原』が終結。
当然、三成は、最期を遂げますが…。

いやぁ、そもそも「忠臣」以外の切り口で、いい方向で描かれることの少ない三成ですが、特に、この作品では、ホントに「ヤなヤツ」そのもので。
筆者は、むかしむかし、小学校の教室や図書室に置いてある唯一のマンガ『日本の歴史』で知って以来の、三成ファン。
だって、これから斬首されるのに、喉の渇きを癒すものをと所望して差し出された『柿』を『たんのどく』といって断らないでしょ、フツー。
震えましたよ、小学2年生。コイツ、メチャクチャかっこいい。
だから、『影武者徳川家康』は、キましたね。島左近が仕える漢がツマンナイ奴なワケないじゃん。
あと、『天地人』とか。

信念があるからこそ、どこまでも「ヤなヤツ」が、そのために必死にもがいて、いいトコまで行って、それでもダメで、内省の果てにある境地に行きついて、でも因果応報する最期を迎えるのが本作。
一度読んだら、これ以外の三成は想像しがたいくらいの見事さ。
『たんのどく』の謎の読み解きも見事。

『15年後』に向けた伏線もしっかり張られます。
(Someothertime 2012年08月04日) from Amazon Review

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おそらく史上最もハイテンションに描かれた関ヶ原の戦い。

もう史実がどうだとかフィクションだとか語られるレベルでない。
絵に台詞に凄まじいパワーを持っている。

そして三成が最後にたどり着いた生き様、死に様。
この重い荷物を、織部は今後どう背負っていくのだろうか。

改めて柿色カラーの表紙を見ていると、干し柿が食べたくなる。
……喉に毒か。
(sas 2012年08月02日) from Amazon Review

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未読の方、↑は誰に対しての台詞だと思いますか?なんとあの石田三成です。
遅咲きに過ぎたとはいえ、実のところかの御仁には、意外な「ひょうげ」のセンスがあったのでは…しかし史実通りに勝ったのは徳川。そして岩佐又兵衛の描いた関が原のあんまりな合戦図(ありのままの描写だそうです。そりゃまぁこの作品の展開だとそうですけど)を、石田は買ってくれたが徳川は焼き捨てた。

世の趨勢は確実に徳川に流れ、それはもう変えられない、それに自分の器量では殿下の「楽」を守るのが精一杯だ…わかってはいても、石田兄弟から託された想いを拒絶しつつも、結局激しく動揺してしまう織部でした。やっぱり業の深い人のようで。
(memento001 2012年07月25日) from Amazon Review

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待ちに待った『へうげもの15服』でござる。
拙者は、連載をリアルタイムに読んでおらぬゆえ、
コミック新刊で「乙なる世界」を堪能しておりまする。

第百五十四席から第百六十四席まで、
「きしゃ〜はっは」(三成殿)、「ぎひゃひゃひゃひゃ」(古織殿)。
まこと、たまらぬものなり。
殊に大久保長安殿、道七殿には、一本取られ申した。

主観においては嘘も真もないのでござるが、
山田芳裕殿の感性は、「いにしえ」の「真相」を突く眼をお持ちのようじゃ

時すでに慶長五年…大阪の陣までのゆっくりと愉しませていただきたい。

また先だって淡交社から刊行された『へうげもの名品名席』実見記」も
へうげものには、オススメでござるよ。
(不識庵 2012年07月24日) from Amazon Review

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「確かにこの圧倒的な力は信長公や殿下に匹敵す……されど何か……何かが先の二人とは異なる……」
↑の台詞は織部による家康評。

直江状に書かれたがごとき世にするくらいならと家康に与する織部。とはいえ徳川が仕切る世の数寄の一切を任すと約束されても、彼には拭い切れない不安がある模様。
まぁねぇ、石田三成は数寄を解さない無粋者だけど、その無粋さを(欠点と自覚しつつ)取り繕わない正直さがある一方で、家康は表向き数寄に理解を示し諸将に度量の広さも示しながら、本心では数寄など不要、自分に味方する諸将も新しい世には不要、できれば今度の戦で滅んでほしいなどと考えるくらいだし。

「へうげもの」でこれまで描かれた傑物たちは信長にしろ秀吉にしろ、また利休にしろ、内側に清濁や明暗といった矛盾する要素を抱えた、その意味では単純に善人/悪人の基準で割り切れない人たちだったけれど、泰平の世を目指す徳川家康は、明智光秀の忠言を受けるまでは本来むしろストレートに「正義の人」だったはず。彼が手段としての腹黒さを身に着けたのはひとえに努力の賜物なんでしょう。その甲斐あってか今やその腹黒さは、立派に「第二の本性」とも呼べるレベルになっています。
「この涙が……真の涙であってくれ……人たらしがための腹黒きものではなく」
と家康自身、表層の演技と深層の本心の区別がつきかねるほどに。

関が原を目前に世の情勢にうっすらと暗さの増す14服ですが、それはどうやら数寄の世においても同じようです。暗くならずに字義通りの「茶」色から鮮やかな緑に変わるのはお茶くらい。
やっぱり緑にこだわってんだな…。
(memento001 2012年01月29日) from Amazon Review

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いよいよ関が原への突入となる前章が今回です。
石田は徳川より優れていたのは何なのか?劣っていたのは何なのか?
そして関が原の意味とは?
型どおりの解釈ではない作者の登場する人物達の解析は今回も面白い。
生きるためと、自分が望む世のためにそれぞれが進む道を模索しているのも面白い。
苦渋の選択の末に選んだ先は、皆が夢見た世界だったのだろうか。
(まんまる まんまるちゃん 2012年01月24日) from Amazon Review

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